季節、色、味、香り…
世の中には、いろいろなものが分類されています。
アロマテラピーでいうと、香りの系統別、成分別、ノート別、身体や心への働き別 といったところ。
分けるのが難しかったり、分けなくてもいいと思えるものも、あえて分けていたりするものもあるけれど、
区別すると、整理することができるのと同時にどこか安心するからでしょうか。
絵画でも四季別に表現しているものはいくつかありますが、そのなかでも ジュゼッテ・アルチンボルト(1527-1593イタリア)
の代表作「四季」や「元素」の連作は、圧倒的で一度見たら忘れないインパクトがあります。
芸術には詳しくありませんが作者に触れたのは、古代ギリシャから広まった体液説をはじめとした気質分類と、この連作を対応させて引用していた本にあったのがきっかけです。
身体のことを学ぶときに出てくる体液病理説、四元素および四気質理論。
元素の連作「大気」「火」「大地」「水」のなかで例をあげると、多血質は鳥で描かれた「大気」
軽やかなコミニュケーション能力に優れたタイプ 大気と鳥のマッチ
占星術でも風のエレメント(双子・天秤・水瓶)に分けられるのも、このタイプのようです。
もうひとついうなら植物療法が主の時代、対応するハーブはマジョラムなどがあげられています。
アロマテラピーでは、ネロリやパルマローザなど
アルチンボルトは、イタリアから東ヨーロッパに移り、宮廷画家としてこれらの作品を書き上げたそうです。
先に活躍しドイツ絵画史上の最高峰といわれるデューラーの影響も受けているといわれるけれど、大きく違う点はそこにクスっと笑える面白さがあるところ。
特に四季は、皇帝を含め位の高い方の肖像画だそうで、そこに鼻に木だのナスだのをもってくる。
けれど、それを用いる意味と、ガレノス時代からルネサンスまでの人体観・宇宙観をあわせる力。
博学であるため、自然科学に深い関心を持った皇帝の要望を汲むことができる。
技量才能をもちあわせたうえで、敬意を払った嫌味にとられないウィットに富み懐に入るのが上手い。
そのあたりはイタリア人っぽいのかなと勝手に想像します。
絵画以外にも宮廷や衣装のデザイン、舞台演出や噴水の設計などもしたそう。多才ですね!
絵画や芸術の見方、感じ方はいろいろですが、純粋に緻密で繊細な寄せ絵としての面白さは勿論のこと、体液病理説や星のエレメントに興味のある人は、ひとつの視点としてこういう見方も興味深いかもしれません。
アルチンボルト展。9月24日まで
お出かけされる予定がある方は、ぜひ。
- - | - |